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 ▼久米島紬の作業工程

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 つむぎ糸  〜真綿による糸づくり
<繭の精練>
 真綿を作るためには、まず繭を重炭酸ソーダ(重曹)溶液や灰汁などの高温アルカリ溶液で精練します。繭糸に含まれるセリシンが溶けだして柔らかくなるので、真綿として引き延ばせるようになります。
 繭の精練は生糸と同じように軟水で行う必要があります。精練の項を参照して下さい。
@さらしなど目の粗い木綿の白生地で、縫い代を外側にして袋を作ります。縫い代を外側にするのは煮繭した繭が布端が引っかからない為です。袋に余裕を持たせて繭を入れ、口を紐などで縛ってとめます。温湯(50〜60℃)に30分ほど漬け、繭層の中まで十分に水分を浸みこませます。乾繭の場合、かちかちだった繭が触るとぺこぺことへこむようになります。上に金網などを乗せ、袋全体が水に沈むようにします。
A精練液を用意します。浴比60倍の熱湯(90℃以上)に、あらかじめ少量の水で溶いた重曹2.5g/lを加え精練液とします。重曹を加えたらすぐ繭を入れます。90℃以上を保ったままで約30分ほど煮ますが、煮ている最中はあまりぐらぐら沸騰させないように中火にしておきます。練りむらや練りすぎがないように、5〜10分おきに袋の上下を換えます。
 煮繭の最中も繭を入れた袋が浮き上がらないように、上から金網などで押さえをかけます。押さえをかけるときには、袋と鍋底の間に余裕を持たせるようにして、押しつけすぎて蛹をつぶして繭を汚してしまわないように注意しましょう。袋の端などが液面から出ないように気を付けながら煮繭します。精練が進むと繭が沈むようになります。
時々、指先で軽く触ってみて、練り具合を点検します。ペコペコとした手触りがふにゃふにゃと柔らかくなってきたら完了です。
B十分にセリシンがとれたら、軽く脱水し、常温に冷ましてから袋のまま軟水で水洗いします。手荒く扱うと袋の中で繭同士が絡み合ってしまうので、水を変えながら広げた指で優しく押し洗いしアルカリ分と不純物を十分に洗い流します。
C最後にまた袋ごと脱水します。脱水した繭は袋から出し、真綿にするまで水の中に放しておきます。
選繭 

<真綿作り>

水に浮かべた繭を、1個ずつ両手の指先で表面だけ軽く包み、持つ場所を変えながらふっくらさせるように回転させると、次第に中の蛹が透けて見えるほどに広がってきます。蚕の頭にあたる部分が一番薄くて穴が開きやすく、そこから口を開け、両手の親指を入れて少しずつ広げていきます。適当な大きさになったら内側を外側に裏返して手に被せ、繭内の蛹や分泌物を丁寧に取り除きます。繭を両手の親指と人差し指・中指を使って少しずつ四方に広げて引き伸ばします。作業はすべてぬるま湯の中で行います。
 真綿はその作り方、仕上げの仕方によって角真綿や袋真綿などと名付けられます。

a.木枠による角真綿作り
 引き伸ばした繭を1個ずつ耳が厚くならないように注意しながら真綿掛けにかけて正方形に伸ばします。真綿掛けには四隅に真綿を引っかける爪が付いているので、まず並んでいる2つの爪に真綿の端をかけ、そこを起点にすると伸ばしやすいです。
 真綿掛けの上で引き伸ばす時は水中よりも伸ばしにくいので、力任せに引っ張るのではなく引っ張っている方向と垂直の方向に広げたり厚くなっているところをほぐしたりしながら引き伸ばします。
 全体が均一の暑さになるように引き伸ばして正方形の真綿に形作ります。慣れてくると5〜7枚の繭を手に被せ、それをまとめて引き伸ばすことができます。
b.壺による袋真綿作り
 手に被せた繭を重ねて30個分ほどにし、壺の口を利用して全体に引き伸ばし、袋形の真綿に形作ります。(この方法が古いと言われています。)
真綿作り(繭を広げる) 

<糸つむぎ(紬績)>

a.手つむぎ

 真綿から糸を引き出しながら指先で左右に撚りをかけるようにまとめて糸状にします。手引きつむぎの方法は、糸に一定方向の撚りがかからないので無撚りのつむぎ糸ができます。

1.真綿ほぐし

●角真綿

 真綿の四方の重なりを均一にほぐします。全体的に真綿を軽くはたきながらほぐし、真綿掛けの大きさに広げます。

●袋真綿

 袋真綿の口の重なっている部分をほぐし、さらに袋の中に両手を入れて軽くはたき、全体的に均一的にほぐします。

2.糸つむぎ

@ほぐした真綿を真綿掛けの針に掛け、固定しながら上から帽子をかぶせるように全体を広げます。

A次に、真綿の中心部に穴を開けて、真綿掛けの針の外側に掛けます。

B糸口を出し、綿と糸との境目の部分を左手の親指と人差し指で押さえ、そのまま手前に引いて糸を引き出します。

C引き出した部分を右手で等間隔に3〜4回よじってまとめます。唾液を指先につけてまとめると、毛羽のない美しいつむぎ糸が出来ます。まとまったら、右手は糸を押さえたまま、また左手で糸を引き出します。これを繰り返して糸を紡いでいきます。紡いだ糸はカゴの中に落としていきます。カゴは糸が均一に積み重なるように、ときどき回転させると良いでしょう。

 

b.器具使用による手つむぎ

●マヌヒチャーマ利用による手つむぎ

 ほぐした真綿を真綿掛けにかけて糸を引き出し、小管に巻き取り、一方では撚りがかけられます。マヌヒチャーマを使うと、糸つむぎ・小管巻き・撚り掛けと枠あげの工程が同時に行えます。

 マヌヒチャーマのペダルを足で踏んで糸車を回転させながら、あらかじめ真綿掛け台にかけた真綿から糸を引き出し、手つむぎと同じ要領でつむぎ、小管に巻き取ります。

 巻き上がった小管は撚りを加えながら木枠に巻き取ります。

 大正から戦前まで一般に久米島で利用されたものです。

●電動式手紡機による手つむぎ

 真綿掛けから糸を引き出し、錘を回して甘撚りをかけながらつむぐ道具です。

 手つむぎと同じ要領で糸を引き出し、電動式手紡機に手で送り込みます。フライヤーが回転して撚りが軽くかかり、さらにボビンに巻き取られていきます。

 久米島では昭和45年よりこの方法が利用されていました。


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