久米島紬の作業工程  製品仕上

久米島紬の染色は、県内産地の染色とはかなり異なっていて染色回数が最も多く行われています。

したがって、染の段階で起きた糸の膨らみや毛羽を押さえるために付けた糊が影響して、反物は地風が固く織上がっています。

糊を落とし風合いと織目を整える為にきぬた打ちを行い光沢のある美しい布に仕上げます。

洗濯

織上がった反物は最後の糸の始末を終えてから、びょうぶたたみにして大きなたらいに入れます。

30度ほどのぬるま湯で、布に洗濯しわが出来ないように配慮しながら素早く3~4回すすぎ糊を落とします。


自然乾燥

洗濯された反物は天日で自然乾燥させます。洗濯は天候に左右されるので目の離せない工程の一つです。


地直し

洗濯された反物は天日で自然乾燥させます。洗濯は天候に左右されるので目の離せない工程の一つです。

折りたたみ

布目を整えた布は8分乾きの状態でびょうぶたたみにします。

次に綿布で包んできぬた打ち台(硬い木や石の台)の上に固定します。


きぬた打ち

綿布で包んできぬた打ち台(硬い木の台や石の台)の上に固定された布を、約4.5キロの重量の杵を用いて二人がかりで交互に力いっぱいたたきます。5分程たたき、反物をたたみ直し内側と外側の位置を3~4回程取り替え約20分から30分程(回数にして約400~500回)たたきます。

 

反物は湿っているのでさらに天日干し乾燥させます。再度丁寧にたたんでさらにきぬた打ちをして仕上げます。このように洗濯仕上げに約半日を要します。

 

きぬた打ちは適度の布の湿り気と杵で叩く度合いで紬の光沢と風合いが左右される重要な仕事です。また布面に折線がでないような工夫と、杵の角で布を切らないよう角度を平行に打つなど細心の配慮が必要です。


湯のし仕上げ

きぬた打ちを終えた反物は通常天日干しで乾燥させ、最後の仕上げを行います。最近では、乾燥仕上げの後、さらに湯のし機に通し巾出しと折れしわを伸ばす工程があります。